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環境調査

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■植物相調査(フロラ調査)

植物群落

ある地域にどんな植物が生育しているかを調べます。生育種のリスト(一覧)の作成です。その地域を歩いて観察される植物の種名や位置などを記録します。スゲの仲間のように、種によっては、顕微鏡で花や種子を観察しないと種が判別できないものもありますので、種の判別の困難なものは持ち帰ります。種によって花の咲く時期は様々ですが、花の咲いている時期(花期)などにあわせて調査を行なうことが普通です。春・夏・秋に一回ずつというのが一般的ですが、カタクリやカンアオイの仲間など早春期に花をつける種を見つける目的でその時期に調査を行なうこともあります。

■植生調査

植物群落

ある地域にどのような植物群落がどれくらい分布しているのかを調査します。植物群落を調べるためには、方形区を設置し、階層(高木層、亜高木層、低木層、草本層)ごとに植生が被っている割合や状態(被度・群度)などを記録します。植物群落の分布を調べるためには、空中写真の判読や現地調査により植生図を作成します。現地では堤防や橋上、尾根上等の広く見渡せる場所から植生を記録し、実際に歩いて確かめながら書き加えていきます。調査は一般的に植物の色に変化が出やすい秋に行ないます。秋に開花し、広く群落をつくるセイタカアワダチソウやオギなどは遠くからでもよくわかります。

■調査裏話

植物群落

調査は一年を通して行われることが多く、春から始まります。休眠していた冬芽が芽吹き出し、春植物が花を咲さかせているのを見ると、調査の季節が来たことを実感します。そんな春の訪れを感じているのも束の間、開花した植物は花粉を飛ばします。スギ・ヒノキの花粉は有名ですが、河原等ではカモガヤやネズミムギなどのイネ科植物の花粉が大量に飛散していています。河川の調査は花粉の中に飛び込んで行くようなもので、調査どころではなくなります。いいことばかりではありませんが、植物は季節の変化を肌で感じさせてくれます。