業務内容

環境監視システム

ビデオ監視システム > FISH-EYE魚道自動カウントシステム

魚の遡上状況を捉え、自動分析。遠隔地へカウント情報を提供します。

■概要

バーチカル

魚が海から源流まで行き来できるように、魚道を設けた河川が増えてきました。これまで、魚道の遡上は現地での定置網による捕獲調査や、川面を上から観察していました。しかし、調査頻度が低く、魚道を設置してもその遡上量を正確に把握できている水域は多くありません。今後、魚道や人工湿地など、魚が行き来しやすい川づくりを目指すには、技術面の発展と魚類の正確な挙動を捉えることが急務です。

現地で撮影した映像は、現地でハードディスクに録画します。同時にコンピュータで映像を解析する技術を開発していますので、現地でインターネットにつながれば、映像を見られるだけでなく、その場で魚の数を数えて結果を送信します。

■システム設置例

システム設置例

■自動監視システム

コンピュータで映像を解析する技術を開発しています。魚の通過する数を自動カウントし、効率よく解析を行うことで、省力化を図っています。遡上方向に移動する魚影のみカウントするので、流下ゴミを誤カウントしにくい仕組みです。さらにデジカメなどで使われている顔認識と同じ原理の魚影認識フィルタを用い、認識精度を向上させています。ただし、濁り、水面の波、ゴミ、光の反射などが多い時は、誤カウント、ミスカウントが発生するので、人の目で確認します。

コンピュータ画面例
  ①カウント用CCDカメラの画像
AとB、2本の検知ラインを通過する魚影をカウントします。検知ラインの位置は④で調整します。
  ②同定用水中カメラの画像
①で検知すると同時に、この映像を記録、蓄積します。インターネット配信も可能です。
  ③魚影解析エリア
検知ライン上の画素の明度を解析するプロセスを表示しています。ギザギザの線がリアルタイムな明度を示し、その下の角張った線が自動で算出した閾値です(線の色は検知ラインAとBに対応する)。ギザギザ線が閾値を下回ることで魚影を検知します。
  ④各種設定エリア
時刻表示 → 映像に現在時刻を挿入して保存します。
上流・下流ライン → ①の検知ラインをここで設定します。
基準ピクセル(暗)・閾値 → 検知の感度に関する設定です。
許容通過フレーム数 → 魚類の遡上速度、検知ラインの距離によって設定を変更します。
許容斜行ピクセル → 流れの方向に対して斜めに遡上する個体をどこまで同一と判定するか設定します。
  ⑤メッセージエリア
時間、カウント数などが表示されます。メッセージ保存の設定を行うと、表示と同じ内容のログファイルが作成されます。

■インターネットセンター

現地でインターネットにつながれば、映像を見られるだけでなく、その場で魚の数を数えて結果を送信し、リアルタイムにホームページで閲覧できます。

カウント情報配信例

運用方法の提案

  1. システムは通年設置し、カウントと画像データは基礎データとして保存。
  2. 毎日のカウント数を見ながら、4〜8月の遡上期には1週間に1日程度の画像解析を行ない、遡上魚種を同定。
  3. 魚類相の正確な把握のため、魚道内の採捕調査と頭首工の上下流の魚類相調査を平行して実施。
  4. アユ以外の魚類も対象とする場合には、9〜3月にも1ヵ月に1日程度の画像解析を実施。
  5. インターネットからは、1日の遡上数、1時間の遡上数、最新の画像、日ごとの遡上数のグラフ、時間ごとの遡上数のグラフなどを配信。

■解析例

カメラの個数、設置場所によって、解析方法が広がります。

バーチカルスロット型魚道

撮影例