遺伝子分析
■遺伝子分析(DNA分析)とは?
生物がもつ遺伝情報伝達物質であるDNAの配列の違いを分析することにより、個体、地域個体群、種など様々なレベルにおける生物の遺伝的な違いを明らかにできます。この技術が遺伝子分析(DNA分析)です。 遺伝子分析(DNA分析)の特徴は、生物を殺すことなく少量の体液や小さな葉片などからサンプリングできること、情報量が圧倒的に多く、個体から種レベルまで幅広く分析できることです。
■遺伝子分析(DNA分析)で何ができるか?
- 1.個体識別(個体差レベル)
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- 動物の行動圏の調査
- 親子鑑定
- 植物のクローン判定
- 2.集団の遺伝的構成の評価(種内差レベル)
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- 遺伝的多様性の評価
- 集団分化の評価
- 遺伝子拡散の調査
- 遺伝的撹乱の程度の調査、遺伝的撹乱の可能性の推定
- 遺伝的多様性をもとにした絶滅リスクの推定
- 3.種の同定(種間差レベル)
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- 外部形態では同定が難しい卵、幼体、種子などから同定
- 組織の一部(胃内容物、加工製品など)から種を同定
- 雑種の判定
- 在来種・移入種の判定
■遺伝子分析(DNA分析)のながれ
- 1.サンプリング
- 試料のサンプリングは、例えば植物なら5mm四方の葉片や花弁、動物なら組織片、粘膜、血液、ヒレ、場合によっては体毛、爪、糞などでも分析可能です。試料の保存は、エタノールの液浸か冷凍で行います。
- 2.DNAの抽出
- 持ち帰った試料は、まずすりつぶして不純物を除去し、DNAを取り出します。このDNAを元に分析を進めます。
- 3.DNA分析
- 当社では、マイクロサテライト分析、PCR-RFLP分析、RAPD分析、塩基配列分析で分析実績があります(平成22年4月現在)。また、分析対象とする部位は葉緑体DNA、ミトコンドリアDNA、核DNAなど、種・目的によって様々です。ご相談頂ければ最適な分析方法をご案内いたします。現在はDNA配列のデータベースが整い、ほとんどの種で分析が可能となっています。
DNA分析方法と目的
- 4.データの解析
- 特に集団の遺伝的構成の評価では、クラスタ分析などの解析が必要です。