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■陸上昆虫類調査

アサギマダラ

一般的に虫と言えば、カブトムシ、アゲハチョウ、クモ、ムカデなどのことを指します。一方、昆虫と言えば虫を指す言葉でも指す範囲は狭くなります。簡単に言うと、虫の仲間でも3対、6本の足がある仲間を指します。足が8本のクモの仲間や、足が多数あるムカデの仲間は昆虫ではありません。環境アセスメント調査では、時にクモを含めることもありますが、ほとんどは昆虫を対象として調査を行ないます。

昆虫類には目撃により種が判別できるチョウやトンボなど大型の種もいます。しかしほとんどは採集して、室内でルーペや顕微鏡などを用いて種の判別を行ないます。

昆虫類の活動期は概ね春から秋にかけてです。活動期というのは、成虫が見られる時期で採集が容易な時期とも言えます。種によって活動期が異なりますのでその時期にあわせて調査を行ないます。昆虫類の採集には以下の方法があります。

●任意採集法
任意採集法

捕虫網、いわゆる虫採り用の網を用いて昆虫類を採集する方法です。 概ね以下の3つの方法があります。

・見つけ取り

昆虫類をその生息に適した環境を探して捕獲する方法です。

・スウィーピング法(sweeping 掃くこと)

草の中をすくように同じ場所で網を数回振って捕獲する方法です。

・ビーティング法(beating たたくこと)

枝などをたたいてそこから落ちる昆虫類を下で受けて捕獲する方法です。

●ライトトラップ
ライトトラップ

夜間にライト(明かり)をともしてそこに集まる昆虫類を採集する方法です。ガや甲虫の仲間を主に採集します。

●ベイトトラップ
ベイトトラップ

地面にえさの入ったコップなどを埋めてそこに落ちた昆虫類を採集する方法です。アリやゴミムシの仲間など地上を歩く昆虫類を採集します。

(その他、マレーズトラップやバタフライトラップ等の調査方法にも対応します。)

■調査裏話

冬期、1mほども積雪のある場所で鳥や哺乳類の調査をしていると、その雪の上をぴょんぴょんと跳ねている数mmほどの大きさの虫を見かけることがあります。 それは昆虫でトビムシの仲間です。昆虫の活動期と言えば雪とは無縁のような気がしますがこのような雪の上でも活動できる昆虫もいます。セッケイカワゲラという種も川沿いの雪の上を歩いています。

ライトトラップ調査では、一般的にカーテン法と言って一畳ほどの広さのカーテンをつるしてそこに明かりをともします。山中で時にカーテン一面にガの仲間がつくことがあります。そんなときはやっかいで、ガの翅(はね)には鱗粉(りんぷん)と言って粉がついているのですが、調査後、その鱗粉で粉まみれになることがあります。